XenとVMWareの比較

仮想化技術として有名なVMWareXenを比較した場合に、どのような差があるのかまとめました。


比較1:コスト
一番大きな差はなんといってもコスト。
Xenオープンソース(GPL)なのに対し、VMWare Infrastructure は数十万円〜というコストがかかる。(もちろんその分、管理機能は整理されていて使いやすいのだが)
ちなみにVMWareWorkstationは仮想化の仕組みが違うので(後述)比較対象外


比較2:性能
XenVMWare Infrastructure ともハイパーバイザタイプ、VMWare Workstation、VirtualPCなどはアプリケーションタイプ(いわゆるPCエミュレータ)
ハイパーバイザタイプとアプリケーションタイプの違いはホストOS上で稼働するかホストOSと関係なく稼働するかという点。

アプリケーションタイプの場合は必ずホストOSが必要で、その上でアプリケーションとして仮想化部分が動作するのでオーバーヘッドが大きく、ゲストOSのパフォーマンスは低い。

ハイパーバイザタイプの場合はホストOS(管理用OS)と並列でゲストOSが稼働するのでオーバーヘッドが小さく、ゲストOSのパフォーマンスが向上する。


<アプリケーションタイプ>


ゲストOS1

ゲストOS2

仮想化ソフトウェア

ホストOS

ハードウェア




<ハイパーバイザタイプ>

管理OS

ゲストOS1

ゲストOS2

仮想化ソフトウェア

ハードウェア


では、いずれもハイパーバイザタイプのXenVMWare Infrastructure ではどんな差がでるかというと、Xenは準仮想化、VMWare Infrastructure は完全仮想化という点。
準仮想化ではXenの仮想化APIを利用することで、よりオーバーヘッドの少ない仕組みになっており、完全仮想化よりも高いパフォーマンスを発揮できる仕組みになってます。
(ただし、Xen上でWindowsを稼働させるときは完全仮想化でなければ動かないのでほとんど差は出ないはず)


比較3:管理ツール
いうまでもなくVMWareの方がGUIの完成度が高く充実しています。CUIを使いなれている方は、コマンドベースでXenを操作するのに苦労することはないと思いますが、慣れていない方は少々敷居が高いかもしれません。


だいたいこんな感じでしょうか。
・コマンドベースの操作に慣れてて、利用用途がLinuxメインという方はコスト面関係なくXenの方が断然よい。
・コマンドベースの操作に慣れてないけど、利用用途がLinuxメインで、コストかけたくない方はXenにトライしてみる価値あり。
・コマンドベースの操作はしたくない、コストがかかってもGUI上で管理しやすい方が良い
という方はVMWareを選択するべき。


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